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習慣づくり

習慣はいくつ同時に記録するべき?

まずは、いま身につけようとしている習慣を1〜3個に絞って始めましょう。負担の大きい習慣や、予定が読めない時期なら1個に。最初の習慣が無理なく続けられると感じたら、少しずつ追加していきましょう。

Storey App:習慣はいくつ同時に記録すべき?光る習慣のタワーが並ぶ夜のスカイライン
建設中の習慣は1〜3個。街づくりも、初日から20か所の工事現場はいりません。

多くの人にとって、同時に身につける習慣は1〜3個が始めやすい目安です。負担の大きい行動や、予定が読めない時期なら1個から。習慣が小さく、内容がはっきりしていて、1日の別々の時間帯に結びついているなら、2〜3個でもうまくいくことがあります。限界を決めるのは数そのものではなく、「まだ判断が必要な行動」を一度にどれだけ抱えているかだからです。

習慣トラッカーをダウンロードします。

すると、お決まりのことが起こります。

あれもこれもと追加し始めるのです。

水をもっと飲む。読書。運動。瞑想。日記。ストレッチ。早起き。ビタミンを飲む。語学の勉強。貯金。

ほんの数分間、そのリストは最高に思えます。

これからなろうとしている自分の姿そのものに見えるからです。

そして、水曜日がやってきます。

覚えていたのは6つ。できたのは4つ。2つは忘れていた。もう1つは「今からではもう遅い」とあきらめる。やり残しのリストを眺めて、本当に役に立つ4つの行動を、なぜか「自分はダメだ」という証拠に変えてしまうのです。

問題は、習慣そのものではないのかもしれません。

単に、一度にたくさん身につけようとしすぎているだけかもしれないのです。

では、習慣はいくつ同時に記録すべきなのでしょうか?

多くの人にとって、同時に身につける習慣は1〜3個が始めやすい目安です。負担の大きい行動や、予定が読めない時期なら1個から。習慣が小さく、内容がはっきりしていて、1日の別々の時間帯に結びついているなら、2〜3個でもうまくいくことがあります。

ただし、大事な違いがあります。

記録している習慣の数は、いま身につけようとしている習慣の数と同じとは限りません。

5つの行動を記録していても、本当に新しいのはそのうち1つだけ、ということもあります。

この違いで、ほとんどすべてが変わってきます。

同時に身につける習慣の数に、科学的な正解はある?

いいえ。

人間が同時に身につけられる習慣はちょうど1つ、3つ、5つ……といった、誰にでも当てはまる数を示す確立された科学的知見は、どうやら存在しないようです。

これはあえて言っておく価値があります。この問いについて、ネット上にはやけに自信たっぷりな答えがあふれているからです。

よく見かけるおすすめは、たとえばこんな具合です。

  • 習慣は一度に1つずつ
  • 1〜3個の習慣
  • 3〜5個の習慣
  • あるいは、こなせるだけいくつでも

こうした数字は、生物学的な限界ではなく、実践的な目安と考えたほうがよいでしょう。

習慣形成の研究からは、反復、自動化、きっかけ、計画、そして状況(コンテキスト)について、かなり多くのことがわかっています。

一方で、一度にいくつの習慣を定着させられるかについては、ほとんどわかっていません。

より広い行動変容の研究では、複数の行動に同時に取り組んでも、1つずつ順番に取り組むより不利になるとは限らない、という証拠さえあります。

喫煙、運動量、食事の塩分を対象としたあるランダム化研究では、複数の行動に同時に取り組む方法は、順番に変えていく方法に劣らないことがわかりました。研究者たちの結論は、少なくともこの介入においては、順番に取り組む方法が優れているわけではなく、むしろ劣っていた可能性もある、というものでした。[1]

だからといって、今夜さっそく習慣トラッカーを開いて12個の習慣を登録すべき、という意味ではありません。

つまり、科学が示しているのは、次のような単純な話ではないということです。

人間の脳は、一度に1つの習慣しか身につけられない。

そこまで厳密なルールを裏づける証拠はありません。

もっと役に立つ問いは、こうです。

習慣の仕組みを維持するのが大変にならない範囲で、安定した状況のなかで繰り返し実行できる行動はいくつあるか?

ゼロから始める多くの人にとって、その答えは意外なほど小さな数です。

習慣を「記録する」ことと「身につける」ことは違う

それぞれ5つの習慣を記録している2人を想像してみてください。

1人目が記録しているのは、次の5つです。

習慣現在の状態
歯みがき定着済み
薬を飲む定着済み
昼食後に散歩する定着済み
寝る前に読書する定着済み
コーヒーのあとに瞑想する新規

2人目が記録しているのは、次の5つです。

習慣現在の状態
5:30に起きる新規
30分走る新規
瞑想する新規
20ページ読む新規
日記を書く新規

どちらも、形式上は5つの習慣を記録しています。

でも、2人がしていることはまったく違います。

1人目は主に、すでに生活に定着している行動を記録しているだけです。

2人目は、生活の5つの部分を同時につくり変えようとしています。

新しい行動には、まだ答えの出ていない問いがいくつもあります。

いつやる? どこで? 何をもって「やった」とする? 忙しかったら? 先に準備が必要? ちゃんと覚えていた? 今やる? それとも後で?

定着した習慣なら、こうした判断はずっと少なくて済みます。

それこそが、習慣形成の大きな特徴の1つです。決まった状況で繰り返すうちに、行動は少しずつ自動化され、意識して思い出したり判断したりすることに頼らなくなっていきます。[2]

ですから、トラッカーのチェック欄をすべて数えるのではなく、まだ毎回「自分との交渉」が必要な行動を数えてください。

それこそが、あなたが本当にいま身につけようとしている習慣です。

新しい習慣が負担に感じる理由

すでに無意識にやっていることを思い浮かべてみてください。

おそらく、毎朝起きるたびにこう考えたりはしないはずです。

今日は歯をみがくべきだろうか?

自分を奮い立たせる言葉を用意したりもしません。歯の手入れがなぜ大切かを説明するリマインダーも必要ありません。

周りの状況が、その大部分をやってくれるからです。

起きる。洗面所へ行く。歯ブラシが目に入る。歯をみがく。

では、これを新しい運動習慣と比べてみましょう。

いつ運動する? 朝? 仕事のあと? 家で? ジムで? どんなメニューを? 何分? 靴はどこ? よく眠れなかったら? 仕事が長引いたら?

新しい行動に判断がつきものなのは、状況がまだ、その行動を確実に引き起こすことを覚えていないからです。

だからこそ、5つの新しい習慣を身につけるのと、5つの古い習慣を続けるのとでは、感じ方がまったく違うのです。

問題は、単に5つという数ではありません。

その5つの行動に含まれる「まだ決まっていないこと」の量なのです。

習慣の研究で実際にわかっていること

習慣形成の研究でもっとも有名なものの1つでは、参加者が自分で選んだ「食べる・飲む・体を動かす」行動を、決まった状況で繰り返していく様子を追跡しました。

自動化の度合いは、繰り返すにつれて少しずつ高まっていきました。

データが研究者のモデルに当てはまった参加者のあいだでも、最終的な自動化レベルの95%に達するまでにかかった日数は18日から254日とばらばらでした。よく引用される「66日」という数字は中央値であり、誰にでも当てはまる期限ではありません。[3]この幅と、その後のレビューでわかったことについては、習慣が身につくまでにかかる期間で詳しく解説しています。

この大きな幅は、大切なことを教えてくれます。

習慣は、どれも同じ大きさの単位ではないということです。

朝食後にコップ1杯の水を飲むことも、出勤前に5マイル(約8km)走ることも、トラッカーの上ではどちらも同じ1行です。

でも、求められるものは同じではありません。

だからこそ、こう問うよりも

いくつの習慣を身につけられるだろう?

次のように問うほうが、少しだけ役に立つのです。

身につけようとしている習慣は、どれくらい難しいだろう?

ごく小さな行動なら、1日の予定をほとんど組み替える必要はないかもしれません。

一方で、45分の時間に加えて、道具、移動、回復、スケジュール調整、準備がすべて必要な行動もあります。

どちらも「1つの習慣」と数えると、その違いが見えなくなってしまいます。

習慣の数より、安定したきっかけが大切

研究では、取り組むべき習慣の正確な数よりも、習慣をどのような状況に結びつけるかについて、より確かな根拠が示されています。

2022年のある研究は、2つのデータセットを使って習慣づくりを調べました。1つ目の実験では、学生たちが6週間かけて新しい勉強習慣を身につけました。比較的安定した状況で行動した学生もいれば、あえて時間や場所を変えた学生もいました。2つ目のデータセットは、習慣化アプリの利用者による数百件の習慣を対象にしたものです。

どちらのデータセットでも、状況が安定しているほど、自動化の度合いが強く、目標の達成度も高い傾向が見られました。[4]

つまり、実践的にはこういうことです。

「もっと本を読む」には、居場所がありません。

「夜、スマホを充電器に置いたら本を読む」には、あります。

「もっと運動する」には、居場所がありません。

「昼食後に10分歩く」には、あります。

「日記を書く」には、居場所がありません。

「朝のコーヒーを淹れたら、1文だけ書く」には、あります。

これで、習慣をもう1つ増やせるかどうかを判断する、よりよい方法が見えてきます。

トラッカーに空きがあるかどうかだけを考えるのはやめましょう。

その行動に、確かな居場所があるかどうかを考えてください。

現実的な始め方のルール:まずは1〜3個

科学は正確な上限の数を示してはいませんが、意識して習慣づくりを始める多くの人にとって、新しく取り組む習慣は1〜3個が現実的な範囲です。

法則ではなく、初期設定のようなものだと考えてください。

習慣1個から始めたほうがいいのは、こんなとき

  • いまは予定が読めない。
  • その習慣に、かなりの時間や労力がかかる。
  • 同じ行動に何度も挑戦しては、やめてしまっている。
  • しばらく間が空いてから、習慣の記録を再開しようとしている。
  • あるいは、その行動がいまの生活リズムを大きく変えることになる。

たとえば、

週3回、筋トレをする。

それだけで十分かもしれません。

時間、場所、ウェア、回復、スケジュール調整が必要になるからです。

さらに4つも新しいことを増やす前に、まずはその習慣をしっかり根づかせましょう。

習慣2個から始めてもいいのは、こんなとき

どちらの行動も比較的小さく、まったく別の場面に結びついているとき。

たとえば、

朝のコーヒーのあと → ビタミンを飲む。

夕食のあと → 10分歩く。

この2つが、同じタイミングで取り合いになることはまずありません。

きっかけが違い、求められるものもささやか。それぞれ独立して育てていけます。

習慣3個から始めてもいいのは、こんなとき

すでに習慣づくりの経験がそれなりにあり、行動の内容がはっきりしていて、どれも1週間のなかに確かな居場所があるとき。

たとえば、

ベッドに入ったら10分読書する — 週5回。

昼食後に散歩する — 週4回。

日曜の夜に支出を見直す — 週1回。

3つの習慣。3つの別々の場面。3つの現実的な頻度。

毎朝7時半までに、瞑想、運動、読書、日記、ストレッチ、計画、勉強をすべてこなそうとするのとは、まったく違います。

小さな習慣と大きな習慣を、同じ「1個」と数えない

たとえば、次の2つの行動を追加したいとします。

習慣A:歯みがきのあとに、コップ1杯の水を飲む。

習慣B:出勤前に、ジムで60分トレーニングする。

形式上は、どちらも1つの習慣です。

でも実際には、まったく重さの違う約束です。

そこで役に立つのが、ミニマム習慣(最小限の習慣)という考え方です。

ただこう問うのではなく、

いくつの習慣を身につけようとしている?

あわせて、こう問いかけてみましょう。

それぞれの行動で、「これだけは必ずやる」と決める最小の形は何だろう?

たとえば、次のように決められます。

習慣最低ライン週の目標
読書1ページ5日
ウォーキング5分4日
日記1文3日
筋トレ20分3日
貯金積立の振替1日

最低ラインが小さく、はっきりしているほど、生活が思いどおりにいかない日でも、その行動を繰り返しやすくなります。

最低ラインをずっと小さいままにしておく必要がある、という意味ではありません。

最初の数週間を乗り切れる形を、その習慣に用意してあげる、ということです。

さらに詳しい考え方は、ミニマム習慣:どこまで小さく始めるべき?をご覧ください。

記録している習慣が多すぎるサインとは?

すべてが崩れるまで待つ必要はありません。

習慣を抱えすぎると、たいていサインが現れます。

もっとも重要なのは、仕組みを維持することが、行動そのものと時間や労力を奪い合い始めることです。

  • 何をやるはずだったか思い出せず、トラッカーを確認するのに時間を取られる。
  • 習慣はちゃんとこなしているのに、記録するのをよく忘れる。
  • いくつかの習慣が、1日の終わりに後回しになる。
  • 1つできなかっただけで、その日全体が失敗だったように感じる。
  • 最初の計画が合わず、何度も目標を変えている。
  • あるいは、やり残しのリストを見るほうが無視するよりつらくて、トラッカーを開かなくなる。

そんなとき、必要なのはたいてい、これではありません。

もっと頑張ってリストを管理する。

リストを減らす。

習慣トラッカーは、自分の行動を見えやすくするためのものです。維持に手間のかかる、もう1つの複雑な仕組みになってしまっては本末転倒です。

チェック:すべての習慣に「居場所」はある?

習慣をもう1つ増やす前に、5つの質問に答えてください。

1. 具体的に、どんな行動?

「健康になる」ではなく、「外を10分歩く」。

2. きっかけは何?

昼食のあと。

3. どこでやる?

職場の周りをひと回り。

4. 最低ラインは?

5分。

5. 現実的に、どれくらいの頻度が必要?

週4日。

これらの質問に答えられないなら、習慣を増やすのはまだ早いかもしれません。

問題は、トラッカーの行数が多すぎることではありません。

まだ判断を必要とする行動が多すぎることなのです。

計画を立てると、そうした判断を減らすことができます。94件の独立した検証を対象にしたメタ分析では、実行意図、つまり「いつ、どのように行動するか」を具体的に決めた「もし〜なら、〜する」という計画が、目標達成に意味のあるプラスの効果をもたらすことがわかりました。[5]

こう決めるのではなく、

もっと本を読む。

こう決めましょう。

夜11時前にベッドに入ったら、SNSを開く前に少なくとも1ページ読む。

これで、意図が実行できる形になりました。この仕組みは、やる気が消えても続けるコツの土台でもあります。

次の習慣を増やすタイミングは?

最初の習慣がまったく苦にならなくなるまで、待つ必要はありません。

自動化は少しずつ進んでいきます。

ある朝、脳がこう告げてくれる日は、おそらく来ません。

習慣のインストールが完了しました。

そのかわりに、証拠を探しましょう。

  • トラッカーを何度も確認しなくても、その行動を覚えている。
  • きっかけのほうが、だんだん思い出させてくれるようになっている。
  • 始めるときの自分との交渉が減っている。
  • 都合の悪い日も、少なくとも何度かは乗り越えてやり遂げた。
  • 週の目標が、理想ではなく現実的なものに感じられる。
  • そして、もう1つ行動を増やしても、すでにうまくいっている習慣を崩す必要がない。

それで十分です。

最初の習慣が「完成」している必要はありません。

次の習慣を加えてもぐらつかない程度に、安定していればいいのです。

すでに5個や10個の習慣を記録している場合は?

必ずしも削除する必要はありません。

定着した習慣と建設中の習慣の2つに分けてみましょう。

定着した習慣は、すでに生活のなかで確実に行われています。

建設中の習慣には、まだ注意やリマインダー、計画、あるいはかなりの努力が必要です。

10個の習慣を記録しているトラッカーも、実は「定着した習慣が7つ、建設中が2つ、ここ3週間ほとんどやっていないものが1つ」だった、と気づくかもしれません。

それは、10個の習慣を同時に変えようとしているわけではありません。

おそらく、2個です。

休眠中の習慣は、単に外すか、あらためて意識的に再開するだけでいいのかもしれません。

こう区別すれば、すべての行動に同じだけ注意が必要なふりをしなくても、生活の豊かな記録を残せます。

Storey Appでの仕組み

Storey Appでは、習慣の1つひとつが建物になります。

その週に習慣を実行すると、建物に明かりが灯ります。

週の目標を達成すると、建物が1階分高くなります。

時間がたつにつれ、ただの行動として始まったものが、振り返って眺められる形あるものになっていきます。

建物が高いほど、その習慣がより多くの週を乗り越えてきたということです。

でも街づくりは、初日から20か所の工事現場を必要としません。

まずは大切な建物から始めましょう。1つかもしれないし、3つかもしれません。

それを建てていきましょう。毎週のリズムに慣れていきましょう。

そして、生活のなかに本当に余裕ができたら、次の建物を加えます。

目的は、いちばん長い習慣リストをつくることではないからです。

倒れずに建ち続けるものを築くことなのです。

最初の街区にはタワーを5つ建てられます。これは多くの人が一度に使うべき数より多めです。まずは1つから始め、それが自然に明かりを灯すようになったら次を加えましょう。すでに築いたものが取り上げられることはありません。

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最初に取り組む習慣の選び方:シンプルな手順

今日から始めるなら、こうしてみてください。

  1. 大切な習慣を1つ選ぶ。
  2. 繰り返せるくらい小さくする。
  3. 具体的なきっかけを決める。
  4. 現実的な週の頻度を決める。
  5. そのうえで、1日のなかでまったく別の場面にある2つ目の行動がないか考えてみましょう。

あれば、加えましょう。

なければ、そこでストップです。

トラッカーを埋めても、ボーナス点はもらえません。

得られるのは、実際に繰り返した習慣の恩恵だけです。

当たり前に聞こえますよね。

それでも、10個の目標を立てることには、強く心をひかれる何かがあります。

書き出すだけで、なりたい自分を少しだけ先取りできるからです。

ほんの一瞬、人生を計画することが、その人生を生きているかのように感じられるのです。

習慣づくりが求めるのは、もっと地味なことです。

また明日、同じ行動をもう一度。そしてまた、もう一度。

その行動が以前より少しだけ考えずにできるようになるまで、続けていくのです。

スカイラインは、そのあとについてきます。

よくある質問

習慣はいくつ同時に記録すべき?

多くの人にとって、同時に身につける習慣は1〜3個が始めやすい目安です。ただし、科学的に確立された普遍的な数はありません。すでに定着していて、意識的な努力がほとんどいらない習慣がいくつかあるなら、もっと多く記録できることもあります。

新しい習慣はいくつ同時に始めるべき?

意識的な習慣づくりが初めてなら、大きめの習慣を1つ、またはきっかけの異なるごく小さな習慣を2つから始めるのが妥当です。いまの行動が安定してきたら、少しずつ増やしましょう。

習慣は1つずつ身につけたほうがいい?

場合によりますが、必ずしもそうではありません。誰もが一度に1つずつ習慣を身につけなければならない、という強い証拠はありません。喫煙、運動量、食事の塩分を対象にしたランダム化試験では、順番に取り組む方法が優れているわけではなく、むしろ劣っていた可能性もあると結論づけられました。[1]取り組む行動を絞ることの実際的な利点は、新しい習慣それぞれについて、計画や注意を奪い合う相手が少なくなることです。

習慣を3つ同時に身につけることはできる?

できます。それぞれの行動が比較的取り組みやすく、内容がはっきりしていて、別々の場面に結びついているなら、3つでも無理はありません。ただし、負担の大きい生活習慣の変化を3つ同時に行うのは、小さな行動3つよりもかなり難しくなることがあります。

習慣を記録しすぎることはある?

あります。トラッカーの維持そのものが大きな負担になっているとき、複数の習慣が何度も同じ時間帯を奪い合っているとき、あるいはリストが長すぎて、意味のある前進さえ失敗のように感じられるときは、記録がかえって逆効果になります。

次の習慣を増やすまで、どれくらい待てばいい?

決まった待ち期間はありません。習慣が身につくまでの期間は、人や行動によって大きく異なります。いまの行動が確実に行われていて、きっかけが安定し、ふだんの予定の乱れにも負けず、意識して思い出す必要が減ってきたら、次の習慣を検討してみましょう。

習慣が無意識にできるようになるまで何日かかる?

誰にでも当てはまる期間はありません。フィリッパ・ラリー(Phillippa Lally)らの研究では、データが自動化モデルに当てはまった参加者が最終的な自動化レベルに近づくまでの期間は、18日から254日まで幅がありました。[3]2024年のシステマティックレビューでも、健康行動全般で同じように大きなばらつきが報告されています。[6]よく引用される66日という数字は1つの研究の中央値であり、期限ではありません。詳しくは習慣が身につくまでにかかる期間は?をご覧ください。

すでに無意識にできている習慣も記録すべき?

記録してもかまいません。続けられているかを記録に残したい場合や、見守る価値があるほど大切な行動の場合、定着した習慣を記録するのは有益です。ただし、定着した行動を記録することと、新しい行動を身につけることでは、求められる負担がまったく違うことを覚えておきましょう。

まとめ

記録すべき習慣の「完璧な数」は、科学的に証明されていません。

ただし、役に立つ原則はあります。

定着した習慣は、役に立つ限りいくつ記録してもかまいません。新しく身につける習慣は、生活のなかに確かな居場所を用意できる数だけにしましょう。

多くの人にとって、それは1〜3個から始めるということです。

3が魔法の数字だからではありません。

新しい習慣には、まだ注意が必要だからです。きっかけが必要です。繰り返しが必要です。うまくいかない週を乗り越えるための余白が必要です。

やがて、そのうちのいくつかは楽になっていきます。きっかけが身近なものになり、判断が消えていきます。

かつては「やろうとしていること」だったものが、だんだん「いつもやっていること」に感じられてきます。

そうなったら、次の習慣を加える余地が生まれます。

1つの行動。1週間。1階ずつ。


参考文献

  1. Hyman, D. J., Pavlik, V. N., Taylor, W. C., Goodrick, G. K., & Moye, L. (2007). Simultaneous vs Sequential Counseling for Multiple Behavior Change. Archives of Internal Medicine, 167(11), 1152–1158. ↩
  2. Gardner, B., Lally, P., & Wardle, J. (2012). Making Health Habitual: The Psychology of ‘Habit-Formation’ and General Practice. British Journal of General Practice, 62(605), 664–666. ↩
  3. Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). How Are Habits Formed: Modelling Habit Formation in the Real World. European Journal of Social Psychology, 40(6), 998–1009. ↩
  4. Stojanovic, M., Grund, A., & Fries, S. (2022). Context Stability in Habit Building Increases Automaticity and Goal Attainment. Frontiers in Psychology, 13, 883795. ↩
  5. Gollwitzer, P. M., & Sheeran, P. (2006). Implementation Intentions and Goal Achievement: A Meta-analysis of Effects and Processes. Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119. ↩
  6. Singh, B., et al. (2024). Time to Form a Habit: A Systematic Review and Meta-Analysis of Health Behaviour Habit Formation and Its Determinants. Healthcare, 12(23), 2488. ↩

ご注意:この記事は、習慣づくりに関する一般的な情報を提供するものであり、個別の医療、メンタルヘルス、金銭面のアドバイスではありません。服薬、リハビリ、栄養、睡眠、金銭上の義務に関わる行動については、一般的な習慣のアドバイスではなく、資格のある専門家の指導に従ってください。

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